人生

やっていきましょう

181日目

今日は読みやすい本を読んだ。『何のために「学ぶ」のか: 中学生からの大学講義』という本だった。何人かの研究者が中学生に向けて書いたもので、学ぶとはどういうことか、ということについて簡単に話していた。図書館のこどもルームで見つけたもので、自分が読むべきものか迷ったが、とりあえず手にとった。

どこか懐かしい感じがした。内容自体は特に珍しくはなく、人間の学びとは点取りゲームで高得点を取ることではなく、探求心や知的好奇心にあるといったことや、あらゆるものがコンピュータに置きかわる時代の中で、人間の力を発揮できるのは「考える力」であるなど、自分が中高の時に読んだ評論のようなことを言っていた。

だが自分にとっての問題はそこではなく、かつて自分が中高生であり、こうしたことを真摯に受け止め、そこから自分の頭で考えて学ぼうとしていたということだ。そういう素朴な時期が自分にあったということをふと思い出した。

自分はもう中学生ではない。中学で挫折し、高校で挫折し、大学でも挫折し、今がある。昔の自分は、まさか自分がこうなるとは思わなかっただろう。今ではもう、こうした本を読んでも素直に感動するということがほとんどなくなった。あらゆるものが、自分にとって無意味にしか思えなくなっている。

だがかつて、こうした本が自分をときめかせ、希望を抱かせたということは忘れないでおきたい。おそらく自分の原点のひとつのようなもので、自分がこれから何かしようと思うときの参考になるにちがいない。