人生

やっていきましょう

355日目

1つのセリフをどうすべきかずっと考えていた。ゲームのボスキャラが主人公に襲い掛かるとき何を言わせるか、ということで悩んでいた。

こういう状況をうまく想像することができない。交渉が決裂し、戦いの火蓋が切られる瞬間、相手と自分が互いにどのような言葉を交わすのか。

自分のセリフ作りを振り返ると、大抵はワンパターンに終始する傾向があった。先日述べた通り、直感で導き出したものというのは、大抵同じ経過をたどることになる。似たような性格、似たような言い回し、似たようなシチュエーション、どれも皆よく考えずに演出したものだった。

自分のゲームはそうした思いつきのセリフで埋め尽くされている。数年前の思いつきの事後処理を今になってしなければならなくなっている。本当に面倒な作業だ。そうした要素が集まった八方塞がりな状況を、全部うまくまとめられるような台詞を書かなければならなくなっている。

開発期間が長期化するとこういうことになる。膨大な情報の関係性をひとりで統一するのが困難になってくる。5年前に設定した人格を、3年前の自分が修正し、1年前から新たな設定を加え「改良」したつもりになっていた情報を、統一性が失われるという理由で今現在の自分が編集しなければならなくなっている。

部分を調整すればするほど、全体の曖昧さは増してくる。自分でももうどうすればいいか分からないが、とにかく完成させることだけを考える。セリフもあまり考えすぎず、形になっていればそれで妥協する。