人生

やっていきましょう

699日目

先日から創作を再開して以来毎日取り組んでいるが、現状ほとんどうまくいっていない。セリフが面白くないという理由で同じ場面を何日も修正している。

これまでもそうだったが、セリフ作りが自分の創作において何よりも困難なものになっている。とりわけ元々出来上がっているストーリーの流れに沿うような形でセリフを考えることが苦手だ。大抵の場合セリフが作者の意図するストーリーをそのまま説明するものになっている。この問題について今日は具体的に考える。

理想は登場人物たちが互いの個性をぶつけ合った会話を行うことだ。だが実際のところ、自分の創作では冷笑屋以外に個性がまったく見られない。ほとんど無個性な人間が無個性な提案を行い、予定調和に従ってストーリーが進んでいく。

例えば自分の作る会話のパターンは2つしかない。ストーリーを進めるために冷静に話し合って目的や情報を共有するか、冷笑屋が横槍を入れて会話を台無しにするかである。2つ目の横槍で自分は緩急をつけているが、やはりそればかりだと面白くない。これは横槍がつまらないというよりは、むしろ前者の画一性に問題がある。

現時点でパーティメンバーは4人いる。1人目は主人公、2人目は主人公を導く先輩肌、3人目は冷笑屋、そして4人目が他のゲームでは主人公として扱われるようなまっすぐな少年だ。

このうち、主人公と先輩肌の2人が問題だ。彼ら2人には個性の違いがまったく見られない。彼らは同じ目的意識を共有しており、互いに内気で感情を表に出さない。常に理性的な会話を行い、相談する際にも意見が対立することがほとんどない。したがって大抵の場合、主人公と先輩肌が現状を分析し、どちらかが何らかの提案を行いそれに賛同する。たまに冷笑屋が横槍を入れるが、基本的に物語の方針にたいしては無関心で放任しているので、実質この2名がストーリーを進める役割を持っている。4人目の仲間はただ傍から同調するだけである。

彼ら2人の会話を見ていると事務的でつまらないと感じる。互いに感情を挟む余地がないのでプレイヤーは共感しにくいし、互いに間違いを起こさないので展開として面白くない。話し合っているようで、ただ作者が意図するストーリーを横流しにしているだけに見えて興ざめする。

ここのセリフがつまらないのは、明らかに主人公と先輩肌のキャラが被っていることが原因だと思う。例えば先輩肌を熱血的で頭の足りない人物にすればよかったと今更ながら思う。そうすれば冷笑屋は恰好の餌を手にすることになり、少年はそれを諫め、主人公は全体的な意見をまとめる内気なリーダーという形で、全体の多様性が保たれうまくまとまっただろうと思う。あるいは主人公が熱血であってもよかったかもしれない。しかし今更性格を変えるとなるとゲームの完成は1.2年延びることになるので、現状のまま開発を進めるほかにない。

妥協案だが、今からでも主人公に主体性を持たせ、先輩肌に宰相として主人公を抑止させる役割を担わせるというのはどうだろうかと考えた。つまりこれまで通り主人公と先輩肌には理性的な会話をさせるが、主人公の方はやや行動的であり、多少は危ない橋でも渡ろうとするが、先輩肌はこれまでの人生の経験から危機管理に長けており、彼には主人公を冷静な判断に導くという役割を担わせるのである。これなら彼らを差別化することができ、あまり感情移入はできなくとも各々が個性を持った独立した存在であると認識することができる。

このアイデアをセリフに反映できるかどうかわからないが、とりあえずはこの考えを元に今後のセリフを作っていく。

まずは主人公が何かを提案したり考えを表明する場面を増やしていく。先輩肌の方は提案の台詞を減らし同調の台詞を増やすが、危険に直面しそうになったら主人公を諌め、主人公を従わせるか、それを打ち破らせるか選択させる。