第三章のストーリーや演出の方向性がようやく見えはじめてきたので作業に取り掛かる。基本的には5.6年前に制作したストーリーの転用となるが、稚拙な演出は大幅に修正し、セリフにも一工夫を入れて完成を目指す。作中で最も物語色の強い(おそらく唯一の)チャプターであるため、こちらとしても素直に開発できる。
現状の課題はいかに転用した原型を崩さずにセリフを修正できるかという点にある。自分が今意識していることは、修正すべき部分が独立しているならばそこだけを切り取って修正し、前後に影響が及ぶようであれば思い切って後半の展開を作り直すということだ(その範囲は軌道修正できる部分までにとどめる)。このことが正しく判断できているときには開発に支障はないが、ふとしたことでこのことを忘れると途端にセリフ作りが難航する。
とはいえあまり入れ込みすぎてはならない。何度も繰り返しているが今回の開発の目的はゲームの質を向上させることではなく完成させることである。自分は度重なる取捨選択の末に妥協するということを学んだ。すべてを完璧にしようとするのではなく改善すべき点のみをピンポイントに修正し、とくに思い至らなければその他の部分は放置する。とにかく完成のハードルを下げ、手堅く修正していくことが重要だと思う。
