人生

やっていきましょう

728日目

ランパートは今期で最も使用されないレジェンドであり、その使用率は全体の2%にも満たない。その理由は動き続けなければならないゲームでその場に留まらなければ使えないアビリティを持っているからであり、かといって籠城戦が有利というわけでもなく、グレネードに弱かったりバリケードがすぐに破壊されるなど、そこまで強いレジェンドではないからである。

それでも自分はなぜランパートを使うのか考えた。それは自分がゲームで弱いキャラクターを敢えて使うことにネタとしての価値を見出しているからに他ならない。スマブラのデデデやMGOでの麻酔銃など、面白枠として用意されているものを使い込んでネタとして楽しみ、同時に独自の路線を切り拓いて勝ち進んで行くことに自分はゲームのやりがいを感じる。誰が使っても勝てるものには正直あまり興味がない。

ネタという価値観がおそらく自分の性格の根底にある。自分は手段を選ばず勝ちたいわけでもなく、緻密な計算の上で安定して勝ちたいわけでもなく、ネタという独創性を追求した上で勝ちたいのである。おそらくランパート専などと巷で呼ばれている一派はこの価値観を有していることだろう。さもなければ誰が好き好んで最弱レジェンドを使うだろうか。

自分の人生の困苦はこの独創性の追求の果てにあると言っても過言ではない。ゲームのキャラや武器と同様、あらゆるものには優劣があり、強いとされるものに従えば勝てるようになる。反対に弱いものを求めるということは徒に自分を不利にするだけである。ハンディキャップを背負うということは、それだけ勝ちから遠のくということでもある。自分は敢えてそうしている。しかしそれは結局自分を苦しめることになる。

自分の不幸は、まさしく独創性を求めようとして自らを不利な立場に進んで追い込んでいるということにある。自分がapexでランクマッチに勝てないのはほとんどランパートを使っていることに由来する。野良であればいざというときの緊急避難が可能な移動系レジェンド、もしくはチームに貢献できる最上位Tierのレジェンドを使うことが基本だ。そうしないということはそれだけ不利になるということに等しい。

またそれだけ抱えるストレスも多くなる。ネタで勝とうとしても負け続けるに決まっている。なぜならネタは弱いからである。そもそもネタと勝利は相容れない。勝ちたければ勝つための定石を身につけ、勝つために必要なことだけを心がける必要がある。その点ではネタなど余計なものでしかなく、真っ先に修正されるべきことである。

なぜ多くの人間が独創的でないかと言えば、それを犠牲にしてでも勝ちたいと思う人間が多いからである。そして独創性を得るために勝ち筋の見えない戦いや試行錯誤を、自分が長期間不利な状況に追い込まれ続けてまで続けることに耐えられないからである。

自分自身、そうし続けてきたことで失ってきたものも多く、そうすべきではなかったと思う日もある。しかしやはり、そうあることが自分の性格であり、自分という人間なのだと思う。かつて自分はそれを否定したがっていたが、今ではある程度その本心を受け入れる必要があると思っている。