人生

やっていきましょう

804日目

他の人の創作を見るとセリフの言い回しが上手いと感じるときがある。言葉数が少ないながらも、その人物の考えていることや率直な性格がうっすらと見えてくるようなセリフだ。彼らの性格を表すような語彙が当意即妙に当てられているのを見ると、自分はまだまだ語彙力が足りないということに気づかされる。

語彙力というのは、どれだけ言葉を知っているかという以上にどれだけの言葉を適切に運用できるかということを指しているように思う。自分の場合、日々のブログを書ける程度には言葉を運用できているが、人間の言葉を表現するという点に関して言えば語彙力は無い方だと思う。

思うに自分の言葉というものは機械的なものである。日々の記事を見ればわかる通り、自分の書き方は論説文やレポートの類に近い。こうした表現は資料や説明を作成する際には有効だろうが、人間の屈託のない感情を表現するには向いていない(そういう感情を持たないキャラクターを演出する際には別だが)。当然自分は言葉の機械的な運用方法しか知らないので、ゲームのストーリーも無機質なものになっていく。

自分のような人間はSF小説や思弁小説を書くのに向いているように思う。しかしそれらを完成させるためには膨大な引出しが必要であるように思う。つまり感情理解の方面ではなく、知識方面に重点を置く必要がある。しかし自分はほとんど知識を持っていない。知りたいという意欲は萎え、既に知っていることも少ない。そのため自分の想像力では日常的なことしか描けないが、かといって人間関係を描くことができないので、全体の解像度の粗い無機質なストーリーというものが出来上がる。

第三章に関して言えば、稚拙ではあるが出来るだけ人物の屈託のない感情を表現するように努力した(その他の章はほとんど実験的なものであり、ストーリーとしては不完全なものであると言える)。完成度の高いものとは言えないかもしれないが、出来るだけ違和感を無くそうと思う。