人生

やっていきましょう

917日目

このような価値観を抱く必然がないということは、このような価値観を抱いてはならないということにはならない。ある種の価値観が野放しに肯定され、しかしその価値観を肯定する根拠がどこにもないということを真剣に考えはじめると、ふとそれらの価値観を素朴に抱いてしまう自分がどこか間抜けでバカにされているように感じられ、それが悔しいのでそのまま自らに価値観の放棄を迫るという自傷行為が始まる。が、そうしたところで結局は価値観を否定する価値観に縛られているだけにすぎない。

価値観はあるものがあるもの以上に自分の関心を喚起させるという心の自然な動きから生じる。だからそれは当然湧き起こるものであり、無理に禁ずるべきではない。自分の価値観が空虚の上に立つものであると知りながら、その価値観を好ましく思うことは不可能ではない。