人生

やっていきましょう

1148日目

最近作ったシーンを見直したところ、明らかにそれは表現として失敗していた。セリフの量が過剰であり、中身も大して面白くはない。そこまで言葉が多くなる理由は自分がセリフを連想によって生み出しているからだ。しかもその連想は悪いことに、大半が説明的であるという傾向を持っている。

RPGのセリフの難しいところだが、ゲームのプロットと主人公自身の意識というのは必ずしも一致していない。例えば主人公がクエストでA町まで行くとしたら、プレイヤーにはA町まで行くということを自覚させなければならない。しかし主人公自身の意識の上では、目的を自覚していないかもしれないし、反発心があって目的から遠ざかろうとしているかもしれない。

しかし自分はプロットがA町に行くとあったら、主人公はNPCからA町に行き、BをこなしてCをすればいいと言われ、わかった(なるほど)、A町に行ってBをこなしてCをすればいいんだなと勝手に納得する、といった表現をそのまま書いてしまう。つまり形式的であり、人間味が感じられない。

こうした定型的な表現に自分はうんざりしており、時には崩そうと努力するが、そうした試みがかえって会話の冗長、迂遠さを際立たせ、シーン全体のバランスを悪くする。結局自分にできることといえば、形式に従いつつも説明的なセリフを極力排しつつ、プレイヤーがテンポ良く会話やイベントシーンを楽しめるようにすることだ。

昔のドラクエを見るとNPCの表現は意思疎通のためのものではなく、どこか看板のような印象を受ける。知り合いが作ったゲームもそんな印象を受けた。本当はそれで良かったのかもしれない。明らかにそっちの方がゲームに向いた表現であると思う。

今になって後悔が生まれてきた。本格的なストーリーにしようなどと考えなければ、セリフでここまで苦心することはなかった。しかし今から軌道修正をするのは無理だ。あと少し、最後まで頑張ろうと思う。