人生

やっていきましょう

1168日目

いよいよ明日富士山に登るが、改めて別の危機感を覚え始めた。それは体力の問題である。自分は今日この日まで体力づくりをしてこなかった。確かにたまに歩く程度はしていたが、少なくとも直近の1週間は一度も走っていないのである。

自分はこれほど自分に対して現実感を持っていないのかと驚いた。これほどの浅はかさで事を成そうとしていることに自分は情けなくなった。自分はツアー旅行の観光客のつもりで登るつもりだったのだろうか。しかし自分は独りなのである。誰も頼れる相手はいない。だからこそ自分はもっと、自分の身に起きることに対して自覚を持つべきなのだ。

どうしてこうなったのか。おそらく自分の半生がほとんど人と話さず、目の前の問題を考える以上に過去の後悔や未来への不安にばかり意識が向いてしまっていたからだ。つまり自分は半ば空想の世界に生きていた。そのために自分は、自分が現実に何か働きかけるという発想自体が失われていた。

このブログを始めた時に、自分の中で現実と向き合うという姿勢がはじめて生まれたのである。その多くは確かに過去や未来に対する不安でしかないが、少なくとも、大学時代よりは現実的な人間になった。その今だから分かるのだが、自分は本当に自分のことが見えていなかった。

極めて重要なことだが、自分は存在しないのではなく、山に登る一人の登山者として存在するのである。自意識がいかに希薄であろうと、自分が山を登る体力が無ければ息切れを起こし、適切な登り方をしなければ足を痛める。途中で食事をとらなければ体力を消耗する。

そのとき反応を起こしている自分は何者だろうか。まさしく自分である。不安で最も正気を失っていた頃の自分にはそれが理解できていなかった。自分の心の感じ方がどうあれ、それはそれとして肉体は存在する。そのことを自分はこれから意識していかなければならない。

明日の登山はおそらく酷いことになる。しかし必ずしも不可能ではないように思われる。多少の無理はすることになるが、明日は全身全霊をもって山に臨みたい。