人生

やっていきましょう

1201日目

MMOのストーリーをクリアした。全体的に見て面白かったのは派閥ごとの信頼を維持するミニゲームだけで、ストーリーはそれほどのものではなかった。しかし出来としては今までのどのクエストよりも完成されていて、最後まで楽しめる内容だった(本当に酷いストーリークエストを見たことがあるが、キャラの痛々しい慣れ合いが自分には耐えられなかった。それに比べればこちらは明らかに完成度が高い)。

ストーリーから学んだことは【面倒な人間】の演出の仕方である。普段アニメや漫画、ドラマや映画を通してそうしたキャラを見ると、ああ面倒な奴だなとか、さっさと次の展開を見せろと嫌な気分になるが、同じ作り手としてそうした存在を見るとユニークなキャラクターだと思うのである。

今回のストーリーではある集落の首長がその役を担っていた。彼は隣町から主人公たち難民にあれこれ難題を突き付けて協力を拒絶する(食料が足りないから獲ってきたら考えてやる、毛布が少ないから毛皮をとってきたら考える等)。それに対して怒りを堪える主人公の仲間たちも見ていて面白い。こうした表現もできるのかと参考になった。

創作の際に自分が陥りがちな傾向だが、納得できる話づくりを何よりも優先させた結果、ストーリーが全く面白くなくなってしまう。納得のいく世界観も重要だが、どのようなキャラクターや設定を配置し、話をより面白くできるかということも考えた方がいい。例えば話の整合性をとるために、なぜか互いに素性も知らない登場人物同士が阿吽の呼吸で納得し合うという演出をしてしまうことがある。しかし実際にはそこに誤解や無理解、すれ違いや不和が存在するはずであり、その存在により先の展開が読めなくなり、話が面白くなるのである。

今回自分はこの首長の存在がストーリーを2,3倍面白くしたと思っている。彼がいなければ、ただ主人公の一団が自分たちの苦難を乗り越えた、というだけの話になる。彼がいたことでストーリーは乱され、引き込まれるものになった。こうした登場人物を自分のゲームにも出していきたいと思うのだが、なかなか難しいものである。