人生

やっていきましょう

1254日目

創作者はこれが描きたいという強烈なテーマがなければならないとよく言われる。目指すべきテーマを抱えている人間を称賛し、テーマを持たない人間は(創作者として)価値がないという痛烈な批判もよく耳にする。

こうした風説を目にするたびに、自分の描きたいテーマを自覚して、その思いを持続できる人間がどれほどいるのかと感じてしまう。そもそも描きたいテーマを持つということは可能なのだろうか。

自分の人生が抑制と追従に費やされてきた過程を考えれば、自分の描きたいテーマを持つということが現実離れしたものであると感じられるのも無理はない。実際に現実離れした夢を持ちひたむきに生きている人間はいるのであり、自分を信じている人間はもっといる。こうした人間が創作でもやれば様になるに違いないが、自分のような描くべきテーマを持たない、自らの空白に失望しているような人間にはあまり向かないかもしれないと思った。

すべては無意味だという前提に立ち、自分の伝えたい思いも、言葉も、誰にも伝わらないと諦め切ってしまっている人間は、テーマの信奉者たちから歓迎されない。信念を持てなかった人間は死んでいるのと同じだからだ。生者の世界は信念と解釈で満たされている。自分はもうその一員にはなれない。