人生

やっていきましょう

新たな着想を得た。開発中のシーンに新たなイベントを追加した。これによりゲームの展開にメリハリがついた。自分が探していたのはこれだった。

そのイベントとは、ボスが通常の手段では倒せないので、主人公に弱点を探させるというものである。ボスをイベント戦に寄せるという発想だ。これまでゲーム上にイベント戦はなかったので面白い試みだと思う。

またボスに挑む前によくよく情報を集めていると、ダンジョン内でその弱点を探す手間を省くことができるようにした。これにより探索を律儀に行っていた人間が報われるようになった。

作っていて思ったが、ボスにしろキャラクターにしろ、何らかの特異な特徴を持たせることが極めて重要だと思った。特異というのはただ単に奇怪な要素をつぎはぎしろということではない。それらにしばしば固有の性質を持たせるということだ。

これらをうまく言語化することが自分にはできない。固有の性質を持つ存在を生み出すことは難しいからだ。例えば特異という性質を目指して作ると、特異ではないものが生まれる。特異という言葉を過去の自分の蓄積から導き出しているにすぎないからだ。自分の蓄積はおよそ特異ではない。したがって自分は平凡な性質しか生み出せない。これは面白さを目指してつまらないものが生まれることと同じである。

特異な性質を追求する上で重要なのは、自分自身が自分によって裏切られることである。自分が思いつかなかったであろう着想を、自分自身が偶然的に引き寄せる。それにより自分は自分自身を面白がることができる。この状態に至る術を自分は直感すること以外において他に知ることはない。無数の連想によって、日々反復された自身の平凡な視野から逸脱し、直感という手綱を手繰り寄せた先に異物が存在する。この存在は自身から生まれたものではなく、自身の凡庸さが連想によって乱暴に破壊尽くされたものである。