人生

やっていく

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自分のゲームの中に架空の乗り物が存在する。プレイヤーが数字を操作し、機械がそれを計算し目的地に向かう。10年前にこれを思いついた。作った当時はすごいと思ったが思い上がりもいいところだ。煩雑な処理が適切に機能した、ただそれだけのことだ。ややこしい操作をプレイヤーに押し付けているだけで、ゲーム体験としては最悪だった。

特にひどかったのは、これらの処理をすべてテキスト上で行っていたことだ。1つ目の数字をテキストの選択肢から選ばせる。2つ目、3つ目も同様に選ばせる。計算式を3択から選ばせる。完了。あとは選択に沿った演算処理。実に味気ない。しかし当時はこれが革新的だった。テキストとキャラクターを置くだけしかできなかった自分が、初めて変数処理に足を踏み入れた頃だったからだ。10年も1つのゲーム開発に携わっていると、こういう痛々しい自己満足の痕跡と遭遇することになる。そのたびにこんなゲームさっさと消えてしまえばいいと思う。

突然、この乗り物にUIをつけるという発想を得た。まったくなんの脈略もなく思いついた。スマホのアプリを開く感覚でこの機械を動かせないだろうかと考えたのだ。それでいくつか構想を考え、それらを実装した。

何も考えずに作ってみたがこれがうまくいった。明らかに前のものよりわかりやすい。処理は何も変えていない。変えたのはデザインだ。特別なことは何もしていない。やったことは単にアプリの真似事だ。機械を起動するとスプラッシュ画面が出る。そしてメインメニューが現れる。画面上部にはいくつかのタブがある。最初に選択されているタブを開くとすぐに操作が始まる。

実際に既存の真似事をしてみてよくわかった。すべての動作、演出をテキスト上で行うのは本当に、最悪だった。処理が問題なのではない。それをそのままプレイヤーに与えてしまうことが問題だった。過剰な情報は人をうんざりさせる。