人生

やっていきましょう

モンスターエナジーを飲むと信じられないアイデアが浮かぶ。あらゆる連想が分散せずに、すべての着想がひとつに繋がっていく。本来なら見逃すようなアイデアも、飲んだ後でははっきりと見える。気が付いたら12時間も開発を続けていた。

今日だけでひとつのダンジョンが完成した。だいたい平時だと着想を得る時間も含めて1.2週間はかかる。それがわずか1日で終わった。無駄もなく、停滞もなく、次に何をすればいいのかが分かっていた。すべての意識がひとつに定まっている。

今日おこなった3つの大きな進展について書き留めておく。一つ目は新しいマップチップの当たり判定をひとつずつ設定したこと。二つ目はダンジョンのマップを描き切ったこと。三つ目は即席で思いついたダンジョンのギミックをその場で計画し実現したこと。

マップチップの当たり判定は意外と難しい。まず描かれているマップチップがそれぞれ何を指しているかを理解するところから始まる。それが地面なのか壁なのか置物なのかを、素材のサンプル画像を頼りに確認する。それができてようやく正しい当たり判定を設定できる。

1日でマップを完成させたことは驚きだ。しかも無計画だというから尚更である。はじめ自分はメモに『中規模、ギミック、テーマは特になし』としか書いていなかった。昨日の段階ではそれしか見えていなかった。しかし出来上がったものは明らかにテーマ性のあるもので、しかもそのテーマを深掘りしたものである。

例えば洞窟のダンジョンというものを考えてみる。洞窟には人の痕跡がある。そこから炭鉱の坑夫が採掘をしていたことが分かる。そこでしか採れない貴重な資源がある。だから洞窟のいたる所には採掘に使う工具が地面に置いてある。資源を採掘するということは、運搬するためのものも必要だ。だから地面には線路があり、入り口にはトロッコが乗り捨てられてある。

こんな具合で状況における必要を埋め合わせていくと、場所に最低限の説得力が生まれる。ダンジョンありきで作るのではなく、ある必要によって生じた必然の空間を作るという姿勢を忘れてはならない。

それにしてもモンスターエナジーは素晴らしい。普段の自分だったら予め用意されたマップチップを適当に貼るだけで終わる。場所の想像力を働かせるという発想すらなかった。

 

しかしもっと驚くべきことは三つ目だ。自分の理解を遥かに超えている。これまでまったくこのギミックについて考えてもいなかったのだが、今日ダンジョンのマップを作っているときにアイデアの全体像がはっきりと見えた。迷いはなかった。そこに無駄はなかった。問題がいくつかの要素の簡単な組み合わせであることが理解できた。

この時このギミックを実現するために必要なものが、自分の手元にほとんどないことに気づいた。その瞬間、自分は既に足りないものを補うためのものを集める行動に出ていた。キャラチップの何が必要かが分かるとその場ですぐにダウンロードした。RPGツクール2000のキャラチップの配列がそのままでは使えないことが分かると、既存のキャラチップにマス目を描いて正しく分割させた。ギミックの成立に必要なものはすべて揃えた。ひとつひとつのトライアンドエラーに何が足りていて何が足りないのかを適切に理解していた。

明らかに普段の自分ではできないことだ。いつもは何か一歩前進したり、面倒にぶつかるだけでその日の開発は中断される。それで別のゲームに行く。これではまったく先に進まない。だが今日は違った。とにかく自分が予期していたゴールの先の先の先まで行った。

モンスターエナジーは毎回期待を裏切らない。また必要になった時には飲むつもりだ。