人生

やっていきましょう

148日目

近況について書く。最近は運動して疲れてそのまま寝るということが多い。無理してゲームやってたら目が覚めるということもしばしばある。だが大抵の場合、運動で体力が持っていかれるという現状がある。この点については仕方ないと思う。運動をすることで精神は安定している。そのおかげで前より前向きにはなれている。

戦略ゲームをした。ひとつの簡単な戦略だが、どうにかCPUのやさしい難易度相手には通用するようになった。ひとつの満足がある。ただ難易度普通に差し掛かると難しくなってくる。先日書いたように、このゲームはリアルタイムストラテジーゲームだ。開始1秒の段階から複数あるタスクをすばやくこなし、以後それが止まることがない。常に動き続け、常に判断し、常に戦略を立てる必要がある。

当然だが、一つの戦略では通用しない場合がある。ある程度の基本的な戦術として有効であるものを忠実にこなすだけでは難しい。想定外の事態ということが必ずある。この想定外の事態に対してどれだけ先手を打てるかということがカギになる。

たとえばある時代の段階で、自陣の射手が5体集まり敵陣に攻め入ったとする。敵陣の伐採所や採掘所の作業員を攻撃することが定石となっているが、ここで相手の軍事ユニットが反撃に来たとする。このとき自分はどうするべきか。今まで自分は強がって(思考停止して)相手と戦っていた。だが相手のAIは自分の派遣した射手5人に対して明確なアドバンテージを持つ複数の散兵で対抗してきた。散兵は射手より射程が長いため、射手では敵わない。それで第一陣の射手5名が全滅することがしばしばある。

知人にどうすれば良いかということを尋ねたところ、逃げるのが一番だという。逃げると相手は陣地の外までは追って来ないので、ある時点で兵を引き返す。そしたら射手を同じところか別の伐採所・採掘所の作業員のところに派遣して荒らす。敵が追ってきたら逃げる。こうするのが効果的なやり方だといった。作業員を殺す必要はないのかと訊ねたところ、殺す必要はない、重要なのは相手の作業を妨害し生産量の増加を阻止することだといった。なるほどと思った。

自分の雑な認識でいえば戦争とは相手と自分のぶつかり合いで、どちらか一方が倒れるまで殺し合う、というイメージだった。だが戦略的に考えれば、どちらか一方が倒れるまで戦うということは、致命的な弱点を持つ者が明確なアドバンテージを持つ者に一方的に蹂躙されることを受け入れることにほかならず、それはすなわち彼にとっての死を意味する。それゆえ必然的に逃げるという選択が有力なものとなってくる。

戦略において重要なのは、何をどうすればより効果的であるかということを常に意識していることだ。むやみに壁を張ったり、自陣のユニットを敵陣に送り込むことではない。気分で操作することでもない。そこに作業員やユニット、施設、壁、見張り台があることには効果的であるという明確な理由がなければならない。リアルタイムで常に変動するランダムな状況において、その都度効果的な一手を打たなければならない。

状況によっては効果的であることの意味合いが変わってくる。たとえば木の資源が豊富であったときはそれがすなわち自然の壁となってくれていたけれど、木の資源を伐採し尽くした頃には、もうそれがなくなっている。そういう時には新たに壁を張りなおし、防衛の穴を突かれないようにする。また以前有効な位置にあった壁となる施設が、それがあることによって状況を不利にするようであれば、その施設を躊躇なく破壊する必要がある。すべてを有効活用する必要はなく、不要なものはどんどん切り捨てる。

こういう思考は今までの自分にはできなかった。どちらかというと戦略的ではなく、場当たり的なものに愛着があった。自分の縦横無尽な考えを戦略や定石という固定的なもので束縛させたくなかったからだ。むしろ場当たり的な思い付きを洗練させることが「戦略」であると思っていた節がある。だから自分のことを比較的戦略的な人間であると思っていた。

だがこれは誤解だった。場当たり的な思い付きを洗練させることと、戦略を立てることは全く違う。戦略を立てるということは、何かの目的に対して、その目的の達成に貢献するものはいつでも扱えるようにし、そうでないものはすべて切り捨てるということだ。気分で打つこと、場当たり的な思い付きで攻略すること、これらは戦略の前には価値がない。戦略とは先人たちが築き上げ発見してきた定石というものに理解を示し、寸分たがわず運用できることを指す。その上で1つの定石が万能でないことを知り、複数の定石を張るか、あるいはそこで初めて場当たり的なアイデアを用いて状況に適した戦術を練ることになる。

戦略は自分の頭で一から思いついた我流を指すのではなく、多くの人間がその問題を検討しある程度の効果が認められた定石というものを運用できることだ。そのことを今回のことで自分は強く理解した。まだ自分は戦略の基礎に立ったにすぎないが、定石を増やしていくことでより高度な闘いができるようになると思う。これはゲームに限らず現実でもそうだと思う。