人生

やっていきましょう

1213日目

自分はかつて直感というものを絶対的なものだと信じていた。直感から導き出されるものには最も価値があり、それは自分の羞恥心で阻害されるべきものであるはずがなく、なんとしても表現されなければならなかった。そのため自分は言葉を紡ぐ時にはシャーマンのように導かれていた。

この時の自分は思い出すのも恥ずかしい。直感が過ち得るという発想をほとんど持っていなかった。直感とは論理を飛躍した先にあるものを強烈な衝動によって結びつけざるを得なくなるものである。すべてがそうというわけではない。あるひとつのものがこれしかないとしか思えなくなる。

しかし自分は何度も直感に裏切られてきた。直感は十分な吟味と批判を経たものでなければ単なる思いつきの域を出ない。直感から得たビジョンは強烈な動機から描かれる一方、手数が少ないために理解が浅く解像度は粗くなる。

確かに思いついた瞬間形にしなければ直感は簡単に消えてしまう。しかし何も考えず直感を表現したものは、後々振り返ってほとんどすべてが後悔の対象となっている。直感を得た時に感じた閃きの感覚は、そこにある異物からは全く感じられない。いずれも理路の追えない奇妙さだけがそこにはある。

次のように反省した。まず直感はそのまま口にしない。十分に検討した上で使い物になるかどうかを考える。また直感に依存しない。直感に頼ると目が覚めた時に急に何も分からなくなる。直感が無くとも目の前の問題を解決できるようにする必要がある。