人生

やっていきましょう

1227日目

店員を前にすると反射的に頭を下げてしまう癖がある。それがどのような性別のどのような年齢の人間であっても、彼らに対して横柄な態度をとることができない。

このような態度は一見彼らに対する敬意から出ているように思える。確かに形としては敬意を表しているのだろうが、実際のところその形には違和感がある。敬意を表するならば感謝の気持ちがそのまま表現されているはずである。しかし自分の態度をよく観察してみると、目の前の相手に敬意を表現するというよりは、自分の中に確立されている一定のパターンを正確に遂行するということのみに意識が向いていることがわかる。

この原因は当然対人恐怖に由来する。自分は20代も後半だが、未だにこの対人恐怖が治っていない。おそらく何も問題のない相手にでさえ、最悪の事態を考えてすくみあがる。だから常に表情はうつろであり体の動きがぎこちないのだが、そうした不安を相手に見せまいとして、一定の行動パターンを遂行するという発想に至る。それで今まで不都合がなかったので、未だにその癖が治っていない。

社会性を培うにあたって、この一定の行動パターンの再現という自閉的な発想を転換する必要があるように思う。目の前の相手に対して自身の感情を共有するということは、自分の人生の中で最も困難な課題のひとつであろうが、自身の不安に駆動された無機質な行動パターンを目の前の相手に見せることは、相手に自分を「自分にしか関心の持てない人間」であることをアピールすることになるという自覚は持っておいたほうがいい。