人生

やっていきましょう

先日書いた記事の続き、第四章における3人のキャラクターについてまとめていく。一人は1年前、2人はほんの数か月前だが、いずれも最近になって思いついたキャラクターだ。

なぜこれらのキャラクターが必要だったか。まずは1年前に考えた方から話を進める。このキャラクターはある勢力のリーダーとして描かれた。そもそも諸勢力による対立という構想自体が丁度1年前に生まれたもので、そこからリーダーの必要性を感じていた。このキャラクターの扱いはそのままその勢力の姿勢を示すものであり、組織が何を求め何を目指しているかを体現する存在でなければならなかった。

1年前はとりあえず存在だけ描いていたが、最近になってこのキャラクターの扱いに難儀するようになった。というのも、このキャラクターが属する組織の行動原理が曖昧だったからだ。なぜこの勢力はこの地にやって来たのか、そのために誰と手を組み誰と敵対しているのか、すべての背景が曖昧だった。

そこでこの勢力について深堀りすることにした。この勢力は政治闘争には直接的に関わらず、この国のとある利権に関与したがっていた。それにより莫大な富を得ることがこの勢力の最終的な目標である。

したがって主人公たちの利害とは直接関わってこない。しかし主人公たちの属する組織、および他勢力には関わりのあることである。そのため組織間ではしばしば権謀術数が図られている。

この背景を明確にした上でこのキャラクターをどう扱うかを考える。この勢力は平たく言えば金が欲しいだけなので、どちらに味方をすれば得かだけを考える。最終的に主人公の味方につくためにはそれが組織にとって得であると思わせなければならない。そのような姿勢でこの人物は主人公と関わることになる。

このキャラクターの扱いは主人公との間の関係だけ考えれば単純である。問題は諸勢力との対立をどのように描き、どのように収束させるかであって、このキャラクターだけではそれを説明することは不可能だと判断した。この勢力の姿勢を明確にするには主人公たちの属するものを含めた主要な勢力の方針を同様にはっきりさせる必要があった。

そうした経緯で生まれたのが新たな2人である。2人の正体は序盤には明かされないが、この2人の存在によって主人公が属する勢力、及び彼らが追っている敵対組織(主人公が追っている組織ではない)の行動原理が明らかとなる。

はじめこれらのキャラクターをどうすべきか完全に分からなかった。彼らの扱いを明確にするために全体のリワークを行ったほどだった。そして至った結論が、2人とも主人公の属する勢力に何等かの形で関与するということだった。

この2人は後半部の主要人物となる。そのため慎重に扱うことになる。登場はもう少し後になるが、今気を付けなければならないことはこれらの人物の伏線を張るということだ。とはいえそこまで深入りしたものである必要はない。NPCの噂だったり、新聞記事だったりで、その存在を匂わせるといった程度のことでいい。でなければいきなり誰だこいつはということになる。

自分ははじめ勘違いしていたのだが、ひとつのシーンにすべての情報を詰め込む必要はなかった。情報を細かくわけてストーリー全体に散りばめればよかった。そうすれば自然な形で話に深みを持たせることができる。