人生

やっていきましょう

今創作で扱っているシーンについて整理する。この章では邪魔者役の味方がパーティをかき乱し次第に分裂していく過程を描いている(最終的には主人公の力で修復する)。しかしこのキャラが登場するシーンはいずれも微妙なものになっている。自分はその原因を、彼の企みを表現することに失敗しているからだと考えた。本人の狙いに反して仲間が追従してこないので、彼の努力が空回りに終わってしまっている。

具体的には先日書いたような、もっともらしい理由をつけて仲間を目的から遠ざけるシーンだ。もっともらしい理由の方には問題がない。問題はその企てにまったく流されていない味方の方にある。

基本的に味方は全員誰が言ったかよりも何を言ったかを重視する。だからより良い考えがあれば自然とそちらがの方が支持される。こうした中でひとつの意見を無理矢理通すことは難しい。下手に動くと怪しまれることになる。

そこで仲間同士の結託を徐々に崩す方向でストーリーを進めていくのはどうかと考えた。そのためにはまず登場人物とその関係を一度整理する必要がある。

パーティには主人公、仲間A、仲間B、仲間C、仲間D、邪魔者の6人がいる。仲間Cは混乱に乗じた邪魔者の罠によって早々に幽閉された。邪魔者は助けられなかったと弁解し、仲間はそれを受け入れざるを得ないという展開から物語がスタートする。

他の仲間たちはどんな人間か。仲間Aは優しい少年で善意はあるが機転が働かず誰かに追従しがちなキャラクターである。仲間Bは自分の街(この章の舞台)を守るために戦い、自分の意見を持ってはっきり物を言う強気な女だ。仲間Aは邪魔者を信頼しきっているが仲間Bはそこそこでしかない。主人公は仲間Aと同様邪魔者を強く信頼しているが、この邪魔者の正体について何となく疑念を持っている。

仲間Dは完全な部外者で、元はといえばストーリー上で対立していた敵役である。はじめはこの敵と戦っていたが、真の敵の乱入により協力せざるを得なくなり仲間に入ったという感じにした。この仲間Dは邪魔者の意見にしばしば対立する。彼は部外者なのでこの人間に敬意を持つ必要がなく、そのため彼に流されている他の仲間たちとは違った目線で邪魔者を見ることができている。

邪魔者はそれぞれどのようなアプローチを取ることができるか。仲間Aには最後まで自分を信頼させておけばいい(あるいは仲間Dに対する不信感を煽る)。仲間Bには彼女の目的や、仲間に対する不信感を抱かせる。主人公にはもっともらしい意見を共有する。仲間Dには排外的態度を取り続ける。

いずれにせよ、邪魔者は仲間にそうと気づかれないようにパーティをかき乱す必要がある。しかしそこまで演出に深入りする必要はないように思う。最低限パーティが乱されているのが端的に分かるようにすれば良い。

今の自分の演出にはその最低限ができていない。だからセリフやストーリーを一度見直して表現の曖昧な部分を修正する必要がある。