人生

やっていきましょう

考えても仕方のないこと、現状の自分では対処不能なことについて考えることをやめ、自分の知識と実力、認識の及ぶ範囲に思考をとどめることは自身の精神を安定させる上で有用であるように思われる。

しかし有用であるとはいえそれが万能であるとは限らない。例えば心の安静を重視するために少しでも精神を乱す対象を反射的に避けるようになる。答えのない問と向き合わなくなる。その中で生じた葛藤の過程を言語化しようとしなくなる。

重要なのは自分が何をしているかを自覚し選択することだ。自分の心を乱す問題について考えることを反射的に避けても構わない。ただし、まさに自分がそうしているということを認めることが重要だ。

自由というのは自分が自らの意思によって選択できるということを意味する。ひとつの態度を自明のものとして受け入れ忘却することは、自分を袋小路に追い込むことになる。かつて自分が精神の不安に対してその内側からしか物事を解釈できなかったように。