人生

やっていきましょう

186日目

部屋が狭いということにストレスの限界を感じて、この問題に真摯に向き合うことを決めた。この部屋の大半を余分な段ボールと参考書が占めており、自分は倉庫の中に暮らしているようだった。この環境が自分の精神に何等かの負の影響を及ぼしていると考えれば、自分の精神を守るために行動せざるを得ない。

問題は何をどうすれば良いかということだった。今すぐにでも余分な段ボールと本を取り除くことはできるが、元々それらが置かれていた部分が余白になるだけで、机やタンス、クローゼットといった家具の配置を変更しなければ空間は広がらない。よって問題を次の2点に絞った。①余分な段ボールと参考書を取り除いた後、どれほどのスペースが生まれるか。②空いたスペースを生かしてどのような家具の配置ができるか。

これらの問題を解決するには、いつものやり方では徒労に終わると判断した。いつものやり方というのは、行き当たりばったりで物事を判断し、狙いを定めずあれこれ考えるようなことだ。ブログに記録した内容の大半がこのような思考に基づいている。だがそうした思考が生み出すのはきわめて優柔不断な葛藤でしかない。

したがって今回はできるだけ思考の無駄をカットし合理的に物事を考えようと努めた。まずは状況分析から始めた。自分が問題解決をする際、いくつかの点でそれらを渋る理由がある。大抵の場合それは、自分が理解できていないという理由で敬遠される。そのため自分が何を理解していないのかを把握するところから始めた。

まず部屋の大きさが理解できていない。部屋の大きさが理解できていないということは、自分の雑な印象によって部屋の中を捉えているということだ。次に部屋の大きさに対して、家具の大きさを捉えられていない。そこから、①の余分な段ボールと参考書を取り除いた後に生まれるスペースを想像できていない。このスペースがどれほどあるかということが正確に理解できていなければ、②の空いたスペースを生かしてどのような家具の配置ができるかを想像することができない。

そこで自分は部屋の長さを測ることにした。自分の雑な認識よりも、数字の方が信じられる。印象は自分の精神状態と惰性に由来する。そんなものは今ここでは必要ない。早速文具の棚からメジャーを取り出して部屋の長さを測った。メジャーの長さが足りなかったのでビニールひもを利用した。部屋の隅にある窓ガラスにビニールひもの端をテープで止めて、その直線上の反対側までひもを伸ばす。張り詰めたところで指を押さえ、メジャーでひもの端から指で押さえたところまでを測る。1.0mのところで折り返せば何度も使いまわせる。あとは1.0mに届かなかった余りをメジャーで測る(いくつかの点で家族の知恵を借りた)。

その結果、部屋の長さは縦2.6m 横3.5mであることが分かった。この長さがこの部屋の全体の広さを表している。あらゆる家具および段ボール等はこの中に敷き詰められている。

次に自室の中にあるものの長さを測った。数値は以下の通りだ。いくつかものは面倒になって端数を省いている。

 

ベッド:    縦1.03m 横2.26m

布団の山:   縦0.9m   横0.6m

クローゼット: 縦0.6m   横0.58m

漫画の谷:   縦0.4m   横0.6m

机:      縦1.05m 横0.6m

ザック付近:  縦0.65m 横0.83m

タンス:    縦0.43m 横0.9m

テレビと本棚: 縦0.6m   横1.0m

参考書の本棚: 縦0.42m   横0.3m

 

(テレビと本棚は、厳密にはプラスチックの洋服棚3段の上にディスプレイが置かれており、その裏側に小さな本棚があるという構図である。分類が面倒だったのでひとつにまとめた)

 

これらのメートルをセンチメートルに置き換え、B4紙に書き写した。紙に定規をあててシャープペンシルで線を引いた。図が完成した際、<布団の山>、<漫画の谷>、<ザック付近>、<テレビと本棚>、<参考書の本棚>に★マークをつけて差別化した。★マークがついたものが容易に動かせるものである。これらは今すぐにでも外に出すことができる。

これら5つの家具を取り除いた際に生まれる空白を自分は観察した。これらのものが消えればこの部屋はとても開放的な状態になる。事実、図面からそれらを覆い隠した時、部屋にはベッド、クローゼット、机、タンスしか残らない。

だがこの4つの必需品が問題だった。書いてみるまで信じられなかったが、これら4つの家具は今ある位置で十分適切なのである。あらゆる生活上の要請や、利便性を考えたとき、これらを動かすことで余計に不便になるということが十分考えられる。たとえばベッドは今の位置が最も日当たりが良い。部屋の四隅のいずれかにクローゼットを置くことを考えたとき、ひとつは窓を隠してしまい、ひとつは扉の近くにある。最後のひとつは既にベッドが置かれているばかりか、それを仮に動かしたとしても窓を覆うことになる。結果クローゼットはそこしかありえない。机とタンスは比較的自由に動かせるが、ベッドとクローゼットの制約から、自然と今の位置が妥当であるように思える。

ここで自分はひとつ重大なことに気が付いた。★マークのついた参考書や段ボール群は、妥当な位置に置かれた4つの必需品の余白を埋めるかのように配置されたものだった。つまり、段ボールや参考書などがあろうがなかろうが、この余白は必然と生まれるものだったのである。

そこで思考が止まった。★マークのついたものは全て部屋から出す。だがその後は?この妥当な配置を歪めて広さを得ることに問題はないのか。それができるとしたらどのようにできるのか。そもそも部屋の配置を変えるべきではないのか。

また★マークのついたものをどこに置くかという問題もある。部屋のあらゆる空間は既に何らかの必要によって敷き詰められており、★マークのものはどこへ行っても余分である。家の外の裏に出すか、倉庫に入れるか、部屋の余白を探すか、候補を考える余地がある。

現時点での結論は、<テレビと本棚>の本棚の部分を外に出し、その余白を3段の衣服入れとテレビが埋めればいいというものである。こうすればスペースが広がる上に4つの必需品の配置を修正せずに済む。ただそれだけのスペースが広がったからといって何になるのかと思う。気休め程度のスペースしか得られない。

面倒になってきたので総括する。今回自分は部屋の狭さに怒りを感じて不要なものを取り出し、家具の配置箇所を再検討した。より具体的に言うと①★マークのついたものを取り出したことによって生まれる余白、②余白によって得られた空間から可能になる、効果的な家具の配置箇所、の2点を検討することにした。①については部屋の寸法を測ることで明らかにし、②についてはそれが極めて困難だという結論に至った。唯一取ってつけたような妥協案があるが、根本的な解決には至らないだろう。

次回の課題は、②の解決と★マークの新たな置き場所を検討することにある。②については自身の想像力の欠如が問題としてあげられる。紙に部屋を書いただけでは不十分だ。だからはさみで家具の大きさを切り取り、自由に動かすといったようなことをやりたいと考えている(効果があるかどうかは知らない)。★マークの新たな置き場所は、元々置かれたものを動かしてまでそれが配置可能であるかどうか、その位置に置くことで生じる問題と折り合いがつけられるか、といったことを考えたい。