人生

やっていきましょう

986日目

義父、そして怨嗟の鬼を倒した。この2つのボスは本当に強く、今まで自分が抱いてきた確かな自信が完全に打ち砕かれた。しかしいずれも自分の記憶に強く残る強敵たちであり、彼らを倒したことで自分の意識は更に洗練された。

義父は大忍び梟と同一人物だが、明らかに梟戦よりも凶悪になっている。動きに隙がなく、火力とスピードが更に強化されている。葦名城の梟も苦戦したが、義父の前では霞んで見える。一瞬気を緩めていたら次の瞬間にはほとんど体力が削られていたということが何度もある。こちらもまぼろしお蝶同様、ストーリーの進行に必須ではないため必ずしも倒さなければならないわけではないが、戦う価値は十分にあった。

義父と戦っている間、自分は少し感傷的なっていた。異様に精神が高揚しており、鍔迫り合いの中で自分の心中にじわじわと多幸感が襲ってきた。かと思えば突然謎の感動がどっと押し寄せて、あまりの昂ぶりにあろうことか自分は感極まり、戦いの最中でありながら目頭が熱くなった。

こんな経験は今までになかった。おそらくゲームで感動したのはこれが初めてだった。それもストーリーではなく純粋な戦いの中でである。勝敗の結果ではなくその過程において、自分の中の何かが揺さぶられ、また報われた。自分の人生で感動したことなど滅多になかったのでこの経験は強く記憶に残った。

一方怨嗟の鬼は義父と対照的だった。感動ではなくふざけたような面白さが勝った。素早い攻撃ではなくゆっくりとした動きで高火力の技を何度も繰り出すボスだった。このボスの難しさはストーリー終盤である程度体力や体幹を強化していて尚、食らうと7割以上の体力を持っていかれるという点であり、その上彼を3回忍殺しなければならないことである。当然回復は足りなくなるので、1度目の忍殺までにはほとんど被弾せず、2度目の忍殺までには少なくとも半分は回復薬を残しておく必要がある。それでも尚自分が倒した時には回復薬が尽き、3つの丸薬の最後ひとつが尽きた状態にまで追い込まれた。一度忍殺するごとに新たに威力の強化された技が追加され、最後には炎の嵐や跳躍で何度も殺された。

怨嗟の鬼は初めその火力の理不尽さにイライラしていた。しかし攻略していく内に段々と楽しくなってきた。感動はなかったが、死にかけても尚相手の挙動や戦いが妙に面白く感じられ、途中で笑ってしまうことが何度もあった。何がおかしいのか分からなかったが、義父との戦いといい、自分は精神が高ぶると感情が奇妙な形で現れるようである。

この2体のボスの間に何体かボスを倒したが、こちらはあまり記憶に残らなかった。明らかにストーリー上では重要な戦いだったが、様子見をして戦おうと思っていた中であっさりと倒してしまった。とにかく上記のボスが強烈すぎたので記憶に残らなかったとも言える。

おそらく残りのボスもあと1.2体といったところだろう。終盤も近いが最後の探索に励んで行きたい。