人生

やっていきましょう

山に登る。精神の不調を改善する。目標はてっぺんの公共施設。ルートはスマホに調べさせた。

自身の不幸について考えていたら目の前にトンネルがある。車で行くならこの中を走って出た先の坂道を登る必要がある。歩道が端にないわけではないが、ガスが酷いので別の道を探す。

ようやく登り道を見つける。工事中で通行止めだった。別の道を探す。地図を見る限りトンネルの上に別の道があるように見える。反対側から迂回して先に進んだ。道中からは墓場が見下ろせた。

曲でも聞こうと思ってyoutubeを開いたら昔聞いたNHKの子供番組の動画があったので聞いた。同世代は皆立派な大人になり子育てすらしているのに自分は未だに児童のつもりか。そう思いながら自傷のつもりで再生ボタンを押す。

目の前には坂がある。剽軽な歌がイヤホンから流れて来るが、自分の息は完全に上がっていた。ずっと歩いていなかったから体力はかなり落ちている。突然行動に走る瞬間はいつもこうだ。持続ということを自分は知らない。

クラリネットが壊れたあたりで頂上に辿り着いた。このあたりも昔よく来ていた場所で、完全に小学生の遠足だった。弁当でもあればと思ったがそれより水が欲しかった。周りを見ると工事中だった。天気は晴れていた。

特別な場所というものがある。そこに行くと小さい時の記憶が蘇る。それが変わらず今もそこにある。ただそこにはもはや自分の場所はない。自分は過去を埋蔵してそこを立ち去った。

メンタルのことは完全に忘れていた。帰り道をどうするか悩んだ。トンネルはガスが酷かった。かといって来た道を戻るのも味気ない。自分は更に上の道を歩くことに決めた。

この道を上って下ると街に合流する。歩道がないと思っていたらちゃんと用意されていた。誰もいない場所だったが途中で老人とすれ違った。ぎこちなく会釈をした。

先に進むとまた墓場があった。この世に存在しないものに対して思うところはなく、ゲームのボスのBGMを聴きながらどうやったら第三段階をクリアできるか考えていた。気楽なものだ。街に完全に合流した頃足の裏が痛くなった。いつものことだと思い無視して帰った。

家に着くと再び落ち込んだ。今回の散歩で自分はだいたい12km歩いた。帰った後にゲームを開いたが全然楽しくなかった。疲れていたからそのまま寝た。