人生

やっていきましょう

イデアが湧く時というのは一気に湧き出てくる。たったひとつのきっかけでひらめきが連鎖していく。

今日そうしたアイデアが生まれた。このシーンの演出で一番苦労したのは伏線だが、どんな伏線を用意してもわざとらしく見えるのだった。しかし今日思いついたのは、そもそも伏線にするのではなく初めから答えを明らかにするというものだった。

例えば生き別れた父と子が様々な出来事を通じて親子であると自覚するといった話があるとすれば、初めから父と子であると互いに分かっているという設定にすればよかった。この場合、互いに生き別れた親子が偶然一緒に暮らすことになり、初めは関係がギクシャクしていたがとある出来事をきっかけに徐々に互いを認め合うようになる、といった描き方もできる。何が何でも伏線を明らかにするという描き方でなくてもよい。

この変更によって、それまでテンポを阻害していた伏線シーンをすべて省くことができた。そしてこの前提に基づいて後のストーリーを考えると、どの部分も大体丸く収まることが分かった。この行動の意味は、この展開の必然性はとあれこれ悩んでいた個所が一意の解釈に定まる。

必ずしもこれが完璧な答えではない。最も完成度の高いそこそこ妥協した路線というだけであって、本当のことを言えば伏線とその回収という演出がしたかった。しかしそれを実現するのはなかなか難しい。ただでさえ情報量の多い第四章をできるだけ圧縮してテンポを保つ意識をしているのに、ひとつのキャラクターの伏線にストーリーを割いている余裕はない。

自分はこれで良いと思う。これまでの妥協まみれの折衷案とは違い、このアイデアは根本から問題を解決する。一応このアイデアを一晩寝かせてみる。もし明日もこれが妥当だと思えるならストーリーに採用する。