人生

やっていきましょう

本当はこれをしたかったのに、自分にはできなかったからそんなものはいらない、という欺瞞を積み重ねてきた人生だった。自分がこうしたいという思いを自分で捻じ曲げて、さも初めからそんなものは求めていなかったかのようなフリをする。前まではそれでもよかったが段々と自分の首を絞めるようになり、自分もまた意地を張ってそれに耐えようとして、それが自分の弱みとして常に燻り続ける。

自分がすべきだったことは、自分の本心や感情にもっと耳を傾けることだった。自分は何が好きで何が嫌いか。何をしたいと考えているか。それを自分が自分のものとして受け止めた上で、初めて環境や他者と折り合いをつけていくべきだった。自己の中核(自分への信頼感)があれば、何か不都合な状況に陥ったとき自分自身を判断の指針にすることができる。それがなければ海図を持たずに海に行くようなものであり、自分が何者でどこへ行くかも分からなくなる。