人生

やっていきましょう

歳をとると周りの人間からは本当のことを言って貰えなくなるという話をどこかで耳にした。相手が歳を重ねて立場が上になると、下の人間から顔色を伺われることが多くなる。

助言や指摘を行うということがリスクになる。もし出しゃばって進言しようものなら、彼は小さなプライドを傷つけられたことに怒りを感じてその場にいる人間に喚き散らすかもしれない。そのことで逆恨みをすることだってある。

だから沈黙する。体裁のいい言葉で取り繕って穏便に済ます。そうして誰も本心を言わなくなる。自分はそれを怖いと思った。本当のことを言われることも怖いが、本当のことを言ってくれないのも怖い。自分の適切でない行動や態度が不当に許され続ける。その裏で誰かの悪意や不満が静かに広がっている。

誰も自分が不適当だと言ってくれない。自分が常に自分の言動を顧みない限り、今置かれている自分の状況を正しく知ることができない。それが恐ろしい。