人生

やっていきましょう

ネットに遠い知り合いがいる。ほとんど関わりがないがたまに挨拶を交わす。

この知人に対する第一印象は善い人だった。自分のような人望のない人間にもわざわざ声をかけ挨拶をする。悪意や傲慢さがなく言葉を正面から受け取ってくれる。そこに無理や裏は感じられず、本当にそういう性格なのだと思う。困っていた時に助けてもらったこともある。当時の自分はこんな善人がネットにいるのかと驚いた。

しかし最近、この人の印象が変わった。それは自分の知らない誰かと言い合っていた時のことだ。話の内容はよく覚えていないが、何かのやりとりで相手が不当な態度を取っていて、それに対して何かを指摘をしているようだった。フレンドチャットに勝手に流れてくるのでしばらくそれを観察していた。

自分が驚いたのは、この人が叱ることができる人間だったということだ。八方美人でもお人好しでもなく、ちゃんと自分の考えを持った人間だった。そしてその言い方も感情に任せて罵詈雑言を喚き散らすのではなく、言葉を選びながら相手の何が問題かを自覚させ、反省を促すような物言いだった。

この出来事から自分は知人を見直した。この人は単に思いやりのある人間というだけではなく、自分の意見を持っており、必要とあらばそれを誰かに訴えることができる人間だった。無論この知人の指摘が妥当なものであるかどうかは双方の言い分を聞かなければ分からないことだが、少なくともこの知人の叱り方は妥当なものだったように思う。