人生

やっていきましょう

誤魔化しが上手くなったのか、自分が物事を考えなくなったのか、最近の自分は現実について考えなくなった。自分の人生をより良いものにするために具体的な行動を取るということがなくなり、今はほとんど自分の生み出した空想の世界と向き合って過ごしている。

最近の自分は、この内面世界をどう拡張し深めていくかということ以外に関心がない。これは作り手としてはある種の理想的な境地であるかもしれないが、その一方で危機感も抱いている。

現実で渡り歩くということが不可能になってきている。本来なら現実世界で生きていくために必要な情報を吸収していかなければならないのに、自分はもはやそれすらしない。現実にありながら現実に存在していない。かつて自分が最も恐れていた事態である。

自分に何が起きているのか。まず最近の社会の話題についていけない。細かいことを知ろうとしない。現実で何が起きているかを深く考えられない。すべてが遠くの出来事のように感じる。

次に人と話さない。話が合わず聞くだけになる。次第にそれにも飽きてくる。 

そして見聞きした情報を、現実にではなく空想に資するものとして利用し始める。こういう演出ができる、こんな題材があるということばかりを考える。

段々と自分の中で空想が現実に置き換わっていくのが分かる。曖昧な感覚がどこまでも続いている。いよいよ自分も危ないのではないか。