人生

やっていきましょう

635日目

最近の邦アニメをいくつか見たが拒否反応があまりなかった。以前は日本のアニメ独特の雰囲気が苦手で海外のアニメに逃げていたが、同じ創作者の立場から見てみると日本のアニメはアニメで違った面白さがあるということに気づいた。

映像の演出という点で日本のアニメはとくに優れているが、自分が注目したのは登場人物同士の掛け合いだった。よく見ると台詞というものが個性的であり、言葉全体がその人の性格を表しているのが分かる。海外のアニメでもおそらくそうした工夫は凝らされているのだろうが、翻訳という壁がありどうしても台詞だけでは無個性に見えてしまう。

自分は話者の言葉遣いを出来るだけ分かりやすくするよう努めてきたが、それだけではその人物の個性は表現できない。その人物がその人物であるべき何かを演出しなければならない。邦アニメはその特徴づけがどこか誇張的であり、それが自分の趣味に合わなかったのだが、こうした誇張は自分の創作に活かすことができるかもしれないと考えた。

実際にゲームのモブを使って実験したら、これが思った以上にうまくいった。性格の誇張というのは現実的ではないけれども、創作においてはまさにそれが面白さの一助になる。

だがその際注意しなければならないのは、誇張を作為的に見せないということだ。何度も繰り返し言ってきたことだが、常に自然な会話の流れを意識して台詞を掛け合わせる必要がある。邦アニメはこの自然さに囚われない自由があり、必ずしもそうあることが作品全体の価値を規定するわけではないが、自分は言葉のぎこちなさがどうにも耐えられない人間であり、そこだけははっきりとさせておきたいと考えた。