人生

やっていきましょう

1196日目

誰かと話をすることで思考が整理されると感じることがある。自分は大抵の人よりも他人と関わらない時間が多いが、こうした時間が長ければ長いほど、自分の精神は不安定なものになっていく。

自分の内面に向き合い続けていると、自分の内外で起きていることや、自分自身の存在が曖昧になってくる。自分の中で確かなものが少しずつ失われていく。

自分は有限であり完璧ではない。自分の多分に偏りをもった人間である。しかし本人には、その偏りが偏りではなく、自らの自明な思考のすべてであるようにしか見えていない。また自分は閉じた人間である。自分を修正する動機を自らの内に持たなければ、自分は基本的に自己参照を永遠と繰り返す。

このことが自分の思考を不安定で極端なものにする。いつまでも自分を参照して自分の考えを生み出し続けていると、ちょっとした疑念と真実の区別がつかなくなってくる。例えば何かを脅威と感じた時、実際にその対象が脅威であることが真実であるかのように思えてくる。あるいは自分の感情や考えと相手のそれとをうまく区別することができなくなる。

こうした傾向は自分以外の人間と話をすることで嘘のように消えてなくなる。自分の思考は曖昧なものではなくなり、他者の反応という根拠を持って正当性を得る。

他者を完全に信頼しているわけではない。他者といっても様々な人間がいる。しかしひとつの傾向として、他者に了解可能でない自分の考えというのは大抵不明瞭なものである。

他者と会話をする時、この曖昧さを改善することが具体性を伴った問題として理解される。そしてその解決に意識を向けることが、自分をある程度正気にする。