人生

やっていきましょう

1239日目

いま自分が作っているゲームは、ほとんど1か月前から開発が進んでいない。同じ場面で停滞している。

あるミニゲームをいくつか考え、それらをひとつのステージに作りこもうとした。新しい試みだった。その街ではある果物が通貨の代わりに使用されていて、ミニゲームをクリアした分だけ果物がもらえるという仕組みがある。その通貨を一定数稼がなければストーリーは進まない。だがそのアイテムにはほかの用途もあり、例えばギャンブルに利用することもできれば、その通貨を用いて通貨を異にする諸外国との貿易をすることもできる。

貿易というシステムを実装するのに最も時間がかかった。自分は経済の知識がまったくと言っていいほどなく、為替の理解が乏しかった。だが何かできるはずだと無理をして、次のような妥協案を見出した。

基本的な流れは交易品を仕入れ、取引先まで輸送し、現地の通貨と交換する。そしてその通貨で自分たちの通貨となる果物を安く仕入れ、自分たちの拠点まで持ってくるというものになる。この果物は自分たちの拠点内でのみ交換価値を持っていて、他所では単なる食用品としかみなされていない。しかし交易品の方は、この森全体で同程度の需要がある。この差を利用して莫大な富を築こうというのである。

これらのコミュニティはひとつの同じ森の中にあり、それぞれの街を自由に動き回れるのは限られた人間しかいない。したがってこうした価値の差を利用した滅茶苦茶な貿易が可能となる(これは大航海時代の貿易を参考にした)。

果物の賞味期限の問題から貨幣としての価値は持ちえないという疑問は見て見ぬふりをするとして、とにかくこの交易によって主人公が果物を稼げる仕組みを作ることには成功した。ただそれだけだとあまり面白くはない。手間はかかるがほぼ確実に利益が手に入るというのは若干つまらないと思ったからだ。

そこで次の案を考えた。交易品の取引先を3.4つほど用意し、それぞれの地域でそれぞれの交易品の価値が変動するとどうだろう。例えばA地域ではあるアイテムの価値がある果物の1.5倍であるのに対し、B地域では0.8倍だとしたら。何も考えずにB地域とだけ取引するのでは損であり、取引の際にどの地域と取引するべきかを考えるところにゲーム性がある。

主人公はトレーダーのパソコンから取引先全体の相場を見ることができる。ただここでひとつ問題があった。相場というものは基本的にランダムなものではない。必ず何らかの形で対応したものになる。例えばバナナ農家が何らかの災害の影響を受けたとしたらバナナは品不足となり高騰する。あるいは誰もバナナを買わなくなったら農家は値を下げなければならなくなる。

こうした対応関係を隅々まで適応させる知能と気力が自分にはなかった。また今回の設計で膨大な変数を必要としたために、すべてをランダムにするという選択肢は取りたくなかった。そこで拠点で買える交易品の価値は一律固定とし、それらの取引先での価値を完全にランダムなものとした。また現地で仕入れることのできる自拠点の果物通貨の価値も一律とした。いずれの地域でも果物は通貨1枚分である。

また、取引の成功率を妨げるために、一定の確率で自拠点の警察が国境付近で検問するようにした。この出現率をどうするか相当悩んだ。はじめは交易によって得た通貨の枚数が多ければ多いほど出現しやすくなるようにしようと考えたが、それより面白いアイデアが浮かんだのでそれを採用することにした。

それはに交易品の需要にレベルを設けることである。例えば需要レベル1だと皆取引を控えるようになり、交易品の価格が現地の通貨1枚に対して0.5~1.5倍の間でしか変動しない。しかし需要レベルが3になると、現地の通貨1枚に対して交易品の価格は1.5~2.5倍になる。こうした需要レベルに応じて、需要レベルがフィーバーすればするほど警察はそれに警戒して、検問を張るようになるという仕組みを考えた(なぜ警察がここまで動くかというと、それは彼らが元締めであるグループの許可を得ず取引をしているからである)。

検問は罰金を払うか、賄賂を払うか、戦って倒すかの3つの選択肢がある。罰金を払えば収益の50%は持っていかれるが、残りの金を自分の懐に入れることができる。賄賂は果物通貨ではなく、ゲーム内通貨を支払うことで見逃してもらえるよう説得するというものである。ただし1度の成功率は30%で、3回までしか取り入ってもらえない。倒すという方法は最もリスキーで、戦って勝てれば一番得だが、もし戦って負けると全収益を没収されるほか、収監される演出もある。

ただこれではあまりに取引がリスキーすぎると考え、トレーダーがいくつかオプションを提供するという形をとった。たとえば移動手段の簡易化、交易品の所持量、検問の完全回避、相場の変動などである。当然使用料は安くはないが、これで多少はゲーム性が生まれるのではないか(こうした手間暇かけるのが嫌であれば、自拠点の労働で少しずつ稼ぐこともできる)。

こうしたシステムを考えていくうちに、自分の作っている章の目指す世界観が少しずつ見えてくるようになった。はじめは7年前のマップとストーリーをそのまま転用するつもりだったが、改めて今考えているものの方が中身のあるものになっている。そういうわけで自分は1か月を浪費にしたが、無駄ではなかったと思う。ゲームがいつ完成するのかわからないがはやいうちに完成させたい。