人生

やっていきましょう

第四章のストーリーはなかなか面白くなった。第三章の時も同じことを言っていたと思うが、おそらくゲームとしての面白さはこちらの方が上なのではないか。第四章はどうすれば作品にゲーム性を与えられるかということを中心的に考えた章だった。したがってこれまで以上に新たな挑戦を行い、その多くは成功という形で実現した。

第三章と異なる点は、変数呼び出し値や乱数等を用いて変数と別の変数を組み合わせたことで以前よりも自由な開発を行えるようになったということだ。この兆候は第三章中盤辺りから見られていたが、その時よりも更に変数を使いこなせるようになっていた。

例えばギャンブル、労働、トレードといったイベントは、その実現のために多くの変数を必要とした。鳥を飛ばして操作するイベントは、主人公のマップIDとX座標とY座標を管理するという発想がなければ生み出すことができなかった。

とはいえただゲーム性があるばかりではない。個人的にはストーリーは第四章の方が好みである。第三章のストーリーは一人の少年にフォーカスを当てた物語だが、第四章は社会や群れというものに焦点を当てたものである。様々な派閥が乱立し互いに反目する中、主人公たちがその状況に翻弄され次第に追い込まれていく。

第三章は万人向けという本来のテーマを貫徹した王道ストーリーだったが、第四章は王道とは少し異なった独創的なストーリーが描けているように思う。テコ入れをする前の第4章は主人公の選択次第でストーリーの展開が変わるという設定ありきのもので、何らテーマや面白みのないつまらないものだった(確か当時も第四章のことを「実験的」と呼んでいた)。しかし新たに作り直したストーリーは、明確に描きたいものがあり、主人公の目指すべき目標がはっきりとしている。

第四章ではこれまでの物語で度々登場していた強敵とついに戦う。主人公はある人物を探してこの地域に足を踏み入れたが、その最大の障壁となる存在がこの強敵である。したがって彼を倒すことが第四章の大きな目的となる。

一方でこのストーリーは強敵に一度敗れたかつての仲間の物語でもある。仲間の一人と強敵は十年来の因縁があり、この人物と決着をつけることが彼にとっての個人的な目標となる。この部分にフォーカスするためにPTを二分することを考えたが、それが意図せずストーリーをより立体的なものに変容させ、そして本来の第四章が構想していた分岐の発想を実現させたものになった。

ストーリーが最終的にどうなるのかということはまだわからない。しかし今まで以上に熱量のあるものになるということだけははっきりとしている。