人生

やっていきましょう

周りを見ると当たり前のように、彼氏彼女がいて、結婚して、という話をしている人間がいる。こうした人間が知り合いに増えてきて自分は虚しさと恐怖を覚える。彼らにとって人と人との交流は苦痛ではない。自分の覚えているような社会不安すらなく、悠々と生きている様は自分の劣等感を刺激する。

他人が恐ろしいという世界観はそれほど一般的ではないようである。自分にとってはそれが当然のことであっても、多くの人にとってはそうではない。自分の意志を、感情を養うことができなかった自分には、他者を信頼することもできなければ共に暮らすという発想すら難しい。しかし自分が現実世界で知り合った人間の多くは、その壁を簡単に超えていく。

自分が異常者であり彼らが健常者だという感覚が自分にはある。異常者は社会に居場所がない。世間に出るといつだってばつの悪さを感じる。健常者は健常者の持つ自明の慣習に従って人生を送る。彼らとの断絶を自分は感じる。

これまで色々なことがあって、彼らに近づこうと思うことはやめた。自分が健常者のフリをして、彼らに同化しようとすればするほど自分が壊れていく。彼らは他人が恐ろしいわけでもないし、自分が何を言っても理解されず曲解され続けてきたわけでもない。彼らは自分の常識感覚の外に出てこようとしない。だから自分も同様にすれば良い。