人生

やっていきましょう

熱が冷めてようやく落ち着いてきた。この数日間ゲーム開発に飽き足らず、スマートフォンのメモにびっしりストーリーを書き留めたり、思いつきのシーンやセリフを即興で取り入れるなど数か月分の働きをした。何かに取り憑かれているようだった。

第二章から第三章にかけてのシーンがようやく完成した。細かい部分はまだ作っていないが、ストーリーが満足のいく出来になった。残りは明日まとめて作ろうと思う。

今日は先に第三章の方を作ることにした。冒頭部分は問題ない。次の街に行く場面も大体よかった。しかし街に入ってから少しだけ違和感を持った。前後の整合性が取れていない。

これは自分が第三章のプロローグ部分を大幅に改変したことによる。これまでのストーリーはラスボスを倒すことが主人公の目的だった。第二章で得た手がかりをもとにラスボスがいるとされる新天地へと向かうが、ラスボスの居場所が分からないのでまずは探すところから始めなければならなかった。そこで現地の知り合いに頼ろうとするが、その知り合いが騒動に巻き込まれ・・・という話だった。

しかし主人公は必ずしもラスボスを倒す必要もなければ、新天地へと向かう必要もない。主人公は呪いを解く方法を探しているだけである。したがってまずは、なぜ主人公がこの街に来なければならないのかをはっきりさせる必要がある。その上でこれまでのストーリーラインとうまく繋ぎ合わせ、物語の整合性を保たなければならない。

第三章を色々いじってみて思ったが、展開に結構雑なところがある。これまで第三章は最も完成度の高いストーリーだと自負していたが、展開に必然性がなくどうしてそうなったのかよくわからないところが多々あった。しかし自分はむしろそれを生かせると思った。第三章があまりに完成されすぎていたら切り口を開けて新しい話と繋げる余地がないからだ。

問題は2点、①なぜこの街に来たか、②なぜこのギルドに入ったのか、だ。①については簡単だった。人を探して新大陸に来たら、人と情報が集まる場所があるということを教えられた。それがこの街だった。こうした誘導は元からあるセリフや展開に沿ったもので、比較的簡単に作ることができた。

問題は②ギルドに入った理由だ。第三章では主にギルドに入って活動することになる。しかし元のストーリーでは、そこに入らなければならない理由が曖昧だった。なんとなくギルド員を募集していて、なんとなくプレイヤーがそこに入ったら、勝手にストーリーが進んでしまった、というような感じである。これではストーリーに必然性がない。

少し話を踏み込んで次のようにした。主人公たちは街に着いた。人と情報が集まる街だと聞いて来たが、実際には情報を教えてくれる人は一人もいなかった。その理由は街で起きている事件にある。住人がある日突然行方不明になる。原因は分からない。これまで何人もの人がいなくなった。そこでギルドが調査しているというわけである。この失踪事件に目的の人物が関わっている可能性がある(彼自身も失踪している)と考えた主人公はギルドに加入して詳しい情報を追うことにする。

必ずしも良い出来であるとは言えないが、これである程度の説得力は得た。既存のストーリーともかち合わない(例えば失踪事件のイベントはそのままだ)。あとはこのストーリーの流れを生み出すイベントをいくつか配置して完成させる。

新たな問題が発生した。邪魔者を第三章のどこに関与させるかということだ。これまでのストーリーでは第三章の最後の方にチラっと見えていただけだ。しかし第四章で大きくフォーカスが当たり、第二章で既に小さかったことを考えると、第三章はもう少し踏み込んでも良いのかなと思う。

ここで第三章における彼の役割をはっきりさせたい。邪魔者は物語のラスボスに代わってストーリー全体において主人公たちと対立する重要な悪役である。第三章では①はじめて主人公たちと対面する、②主人公たちに自身の目的をにおわせる、③この章における最終的な黒幕として立ちはだかる、の3点を特に注意したい。これらを経てようやく第四章にスムーズに移行できる。だからここでは邪魔者を大きすぎず小さすぎないように見せる必要がある。