人生

やっていきましょう

アニメやゲームで特に背景的な理由もなく男キャラクターを出さない作品というのがあり、それが自分には奇妙に映る。作者の趣味だからと言えばそれまでだが、自分はむしろ女性の方が描くのに苦労するので、その作家が男性であると尚更疑問である。

第四章ではストーリー上に登場する女性キャラクターの数を大幅に増やした。これには相互否定の笑いと暴力というこれまでの男性的なストーリーとは別のロジックを組み込む狙いがあったが、結果的にこれまで作ってきたキャラクターとあまり大差が無かった。

現実の正確な再現よりも自分の描きたい女性像を描けばいいのかもしれないが、自分にとっての理想を考えるとそれは女性的であると言えるのか疑問が残る。女性に限らず自分が他人に求めているのは最低限の理解力と表現力、それらの上に成り立つユニークさであって、共感や愛情、性的魅力ではない。

自分の作品の動機がそもそも人ではなく世界観の構築にあり、人間同士の感情交流にはあまり関心がない。したがって自分の描く人物像は理解、すなわち世界観へのアクセスを軸としたものになる。

感情豊かな女性キャラクターは存在せず、キャリアウーマンのようなリーダーシップのある自立した女性か、思索に富んだ学者肌の女性か、全体的に理解力に欠け、舞台に解説を促す女性ばかりになる(この傾向は男性キャラクターでも見られる)。