人生

やっていきましょう

外部の様々な人間とかかわることが多い。ごみや荷物をブルドーザーで運ぶ人、何十人ものツアー客をつれてくるガイド。そして山小屋のスタッフ。彼らとの関係の中に今この場所があると気づかされる。そして彼らの存在が、本来自力でしなければならないはずの多くのタスクを軽くしてくれる。他者の良い側面のひとつだ。協力すれば少ない力で大きなことができる。自分ひとりで何でも抱えるよりもずっと楽だと感じる。実利的に物事を見れば協力の重要性は大きいのだから、人と関わるときには愛想をよくしたり自分から相手の懐に入っていくほうが良いということが分かる。

この時自分は初めて気づいた。世界はこのように動いている。まさにそうであった。協力が前提となる世界で協調を放棄していた自分がどういう目で見られるかということをこの時はっきりと客観的に理解した。「何を考えているか分からない」だ。だから警戒を招くし気持ち悪いと思われる。自分がクローズドな人間である理由が何であれ、他者は彼らに向けて敵対的ではないというサインを示し続けないと信頼を与えてはくれないのだ。

この原則に従って、自分はまったくの第三者である彼らに対し最低限の敬意と信頼と感心のある存在であること、すなわち想定不可能な存在でないことを示し続ける必要がある。社交的な人間は勝手にそうやってうまくやっていくが、自分はそうではないので自覚をもってやる必要がある。こうした思考を正直に持てたのは初めてだった。