人生

やっていきましょう

その人は突然やって来た。はじめは通行人かと思っていたが、どうやら以前ここで働いていた従業員のようだった。しばらく離れていたが、色々訳あってここに戻ってきたらしい。新しいスタッフがまた一人増えた。

新人で3日前に来ていた人がその人と話していた。新人の人は泣いていた。話を聞いていると管理人と従業員の自分に対するきつい態度とか、例の優秀な同僚スタッフに甘えているといったことを話していることを聞いてからそのことが頭から離れられないということらしい。それに対して気にする必要がないだとか、相手がそういう人間だからだとか、とにかくいろんな言葉を尽くして彼を励ましていた。それほど精神的にきつい環境だったということを今日初めて客観的に理解した。

話の内容は、およそ自分が一人で抱え込んで病みかけていた頃に自分に向けて働かせていた思考の中身と一致していた。自分が自分に対して向けるケアはそれほど外れてはいなかったのだとその時理解した。それと同時に、ああ、周りの人間も似たようなことで悩んでいるんだなということも思った。自分も少し気が楽になり、前よりはやりやすくなりそうだと思った。