■

呪術廻戦には領域展開という必殺技がある。これがどういうものか詳しくは知らないが、自分のフィールドに相手を引き摺り込むというものではあるらしい。

この自分のフィールドに相手を引き摺り込むということがセリフ制作に役立ちそうだと考えた。個性を演出するとはどういうことかいまいち理解できていなかったが、自分の得意とするスタイルで相手に接近すると考えればいい。

例えば冷笑ピエロはストーリー進行を妨害して笑いを生み出す、もしくは筋の通った根拠から自他の意識や理解、価値観の陳腐さを婉曲的に叩くというスタイルがある。またあるNPCは相手の人格を否定し尽くすために、より創造的なアイデアとボギャブラリーをもって言葉を捲し立てる。別のNPCは無知無能を演出することで笑いを生む。自尊心が低すぎて自虐が冴える人物もいる。顔が面白すぎて言っていることが真面目なのにすべてが面白いキャラクターもいる。

こうした独自の領域を構築することで、無味乾燥な展開を面白くすることができる。これをセリフ作りでは意識すべきだと考えた。