人生

やっていきましょう

ご都合主義に対して過敏なためこれまで展開を何度となく書き直しているが、実際のところある程度のご都合主義は容認しても良いのではないかと思い始めた。

例えば今日、実験的に敵勢力の役員から重要な鍵をスリ取るという演出を作った。相手は武器をこちらに向けていて、主人公たちは何も抵抗できない状態。あれこれ質問を受けていたが、途中で電話が鳴り相手はそちらに気を取られる。応対している間に仲間の一人がポケットから鍵を盗み出し、部屋を出て外から扉を封じる。

この簡単な演出の中にご都合主義がいくつもある。まず相手に武器を向けている時に電話に出ることがおかしい。電話をしている間に反撃されたらどうするのか。また重要なカギを都合よくポケットに入れていることがおかしいし、相手の性格からして盗まれることを警戒しないわけがない。鍵を盗まれたとしても、機密を扱うならそれだけで簡単に開けられるのはセキュリティが甘すぎる。

こうした文句はいくらでも思いつくが、しかしその電話やスリという展開があることで物語がスムーズに進むことになった。初めはそれら抜きで考えようとしていたが、いつまで経っても形勢が変わることなく展開が冗長になった。

優先順位を考えてみる。問題は面白いかどうかであり、起こりうる展開の可能性を再現するためにストーリーを作っているわけではない。基本的にご都合主義は話をつまらなくするものと考えているが、その反対もかえって話をつまらなくする。

 

 

 

 

このスリ取るというのは別に他の何でもいい。