人生

やっていきましょう

オンラインゲームで新しいイベントが追加された。報酬は良いが地道に根気強くこなしていく必要がある。

大抵こうした行事があると、自分はいつも有識者のチャートに従って最適に近い攻略法を選んでいく。

しかしそれは考えてみると実に奇妙なことだ。自分はゲームをする時にwikiを見たり攻略法を調べようとはしていない。いつだって自分で考え試行錯誤をするゲーム体験そのものに重きを置いている。だがオンラインゲームに限ってはそうはならない。

次のことが言えそうである。ゲームはそのクリアの報酬が良すぎると、そしてその報酬がゲーム以外のところに置かれていると、ある時点から作業になる。このゲームをクリアしたら先着1名現金1万円となればゲーム体験などと悠長なことは言ってられず、いかにそれを素早く終わらせるかというところに焦点が当てられる。

オンラインゲームのイベントはその報酬となるアイテムを得るために行われる。それが魅力的であればあるほど、ゲームは面倒な障害になる。早く終わらせるに越したことはない。少なくとも自分はそう考えてしまう。

ただ、そういった作業をする自分に虚しさを感じる。キャラクターを強くする機会に乗じて上手く立ち回っているつもりだろうが、実際のところそれは面白くも何ともない。苦痛を減らすためにチャートを見ているだけだから、マイナスがゼロになっただけのような気分になる。これはゲーム体験を考えた時の話だ。

運営側もイベントは報酬を与えるだけのものという自覚があるのか、報酬さえ良ければイベントは適当で構わないと思っている節があるように感じる。確かに作り込んだところで直接の利益に繋がるわけではないからある程度は仕方のないことだろうが、いつまでも報酬だけでユーザーを釣っているとこの種の虚無感が蔓延するのではないかという危惧がある。

自分の勝手な希望を言えば、イベントは報酬のための障害である以前にゲームであって欲しい。駆け引きが存在し、攻略法も唯一の答えでなく、様々なアプローチが取れて、かつやりがいのある程に困難であるもの。それらを突破した先に誰もが欲しがる報酬があるとすれば、これ以上のゲーム体験はない。

かつて一度そうしたイベントがあった。あまりの面白さに報酬のことを忘れるほどだったが、今思えば報酬とゲーム性のバランスが絶妙だった。

簡単に言えば制限時間つきのマインクラフトサバイバルモードにタワーディフェンスを組み合わせたようなものだ。初めはできることが少ないが、毎日何度もこなしていくと経験値ポイントが貯まり自分の行動可能範囲を拡張できるようになる。

全く強化せずともクリアできるがそれは玄人向けで、時間をかけて強化していけばいくほど難易度は下がり続け、誰でもいつかはクリアできるようになっている。だから初心者から上級者まで楽しめる設計になっていた。

報酬にも一工夫がある。報酬目当ての人のためにメイン報酬の獲得条件はやや低め(それでも難しい方だった)に設定してあり、少しグレードが下がるがイベント外のメインの育成には必須のアイテムを少し高めに置くことで彼らのやる気を引き立たせる作りになっている。さらにはゲーム自体をやり込みたい層の需要にも応えていて、その報酬が家に飾れる限定アイテムであるためやり込んだ人間が周りに自慢できる(やり込み要素に最大級の報酬を置くと報酬目当ての層がその困難さに不満を抱きやすい。だからこの采配はそれぞれのニーズに応えた優れた設定であると言える)。

今回のイベントは前回の探検というコンセプトを継承したもので、全く同じとは言わずともやりがいのあるイベントを期待していたが、まったくの的外れだった。この件については次の記事に書くことにする。