人生

やっていきましょう

細かい部分は別として、数日もかければ第四章の分岐Aがようやく完成する。これまで散々修正を繰り返してきたが自分の中で納得の行く展開にできたと思う。第四章に着手し始めてここに至るまで2年はかかっているが、その間の試行錯誤は無駄ではないと思いたい。当時の自分は何をしようとしているのかよく分かっていなかったが、今は話の方向性を理解できている。

いよいよ分岐Bに入る。当初の予定ではこの分岐Bに全く新しいシステムを導入することで斬新なRPGを作ろうと考えていた。しかし正直言って面倒でもあるし、システムを導入するのは後でもできるという理由から、分岐A同様これまでのRPGのままでいいと思うようになった。とりあえずはストーリーだけ完成させることにして、A,Bの合流地点から四章のエンディングまでを作ってまだ物足りないのなら開発しようと思う。

分岐Bは1年前の自分がとにかくやりたくてたまらなかった意欲作であったが、今の自分からすれば別にどうでもいいものになった。先にこちらを作っても良かったと思ったが当時の自分はまだ第四章の全貌を掴み切れておらず、全体を見れば分岐Aから作って正解だった。

しかし分岐Aに掛けた時間の長さに驚いている。文字通りこのシーンだけに1年をかけている。しかも当初のプロットは見る影もなく完成版はここ1.2ヶ月に思いついたアイデアだ。もっと早く作れればと思ったがなかなかうまくいかないものだ。

分岐Aの課題は、自分が扱い慣れているお笑いキャラに頼らずに面白いストーリーを描けるかというところにあった。これはお笑いキャラに依存した展開がマンネリ化を招くと危惧したためであった。実際、この分断は物語の新たな可能性を開くことになった。

以前の記事でも何度か言及していたが、自分が冷笑ピエロと呼ぶ存在は馬鹿を演じているが極めて理性的であり、常に「敢えて」という態度を忘れなかった。それがこのキャラクターの持ち味でもあり限界でもあった。今回新しく生み出したのは狂人であり、すべての言葉が本人の真剣な感情から紡ぎ出される。

他の章に比べて自分はこの狂人と呼ばれる種類のキャラクターを増やした。敵対する組織の中にも、自分たちの味方にも、この種の狂人を紛れ込ませた。一歩間違えれば作品は不安なものになり作者自身の露悪趣味と自己満足に陥っていたかもしれなかった。しかし自分はこれらのキャラクターを極めて面白い存在に昇華させることがかろうじてできた。そしてそれこそが自分の意図するところであった。

分岐Aは敵も味方も常識人ばかりで、その中で狂人の存在が際立つという描き方だった。分岐Bはふざけたキャラクターしかおらず、常識人が僅かにいるという描き方になりそうだ。