人生

やっていきましょう

948日目

創作の上では何をどう表現しても良い。どれだけ下手でつまらなく、考証が杜撰で、幼稚な発想で見るに耐えないものであっても構わない。

当たり前のことかもしれないが、自分はよくこのことを忘れてしまう。下手な表現はできない、完璧を目指したいと思うあまりにしばしば自分の作品を否定し尽くす。しかし本来、創作は面白くなければならないというものでもない。それは作者が意識的に後付けしている条件であって、創作自体の可能性に制限はない。

自分が面白くないものを作ってしまう時は大抵面白くしなければならないと意識しすぎるか、下手な真似はできないと弱腰になってしまう時である。つまらなくても構わないと大胆に表現できている時、なぜか面白いものが生まれてくることが多い。

とはいえ創作に対する不安と警戒を解くと、今まで無意識のうちに堰き止めてきた本当につまらないネタが感覚の流れと共にやって来るようになる。かつて自分の創作によく見られていたものだが、自覚もなくただただ薄ら寒い笑いが続いてしまうことがある。

したがって次のように考えるべきだろう。アイデアを出す際は制限を設けず、自由に伸び伸びと想像力を膨らませる。しかし一度それをメモなり形なりにして表した際には、それが安易な表現なのか独創性の高い洗練されたものなのかを見極める必要がある。自由な発想の質が低いからといって、発想自体に臆病になってはならない。無数の発想に対して、面白いかどうかよりもそれが出されたことを尊ばなければならない。