人生

やっていきましょう

自分は他人に期待しすぎている。しかし他人に期待しすぎることがそもそもの間違いである。他人は自分のことを当然分かってくれなければならないと思うのは、自身の歪みであろう。それは自分の意志が発達せず、他者と渡り合う社交性も発達せず、とにかく必要以上に他人に合わせようとし続けた自分の過去がそうさせる。おそらく心から他人のことを心配できる思いやりのある人間であれば、この努力は無理ではなかっただろう。自分の不幸はそうでない性格にも拘わらず、自分の臆病さからそうしなければならなかったところにある。

だからといって私は傷ついたと今更騒ぎ立てる気はない。自分が数年前に思ったのは、自分の弱さがおおよその原因であるということである。自分が不安と歪みを克服できるほどの強さがあれば、過去の自分を許すことができるかもしれないと考えたのだ。それ以来自分は、意識的に他者からの依存を脱却しようと努めてきた。自分が支持する価値観を自由に追求し、その結果他人が自分から離れていっても構わないと思うようになった。無理をして他人に合わせて好意を買おうとするのもやめた。そうした努力から、ある程度自分は他人から独立することができた。

このように自分の領域を作り始めてから、自分は他人に期待しなくなった。正確に言えば、ある程度期待はしてもそのことで他人に振り回されなくなった。以前の自分は相手に勝手に期待をかけ、勝手に裏切られたことで傷ついていた。しかもそれらのことがすべて無意識の状態だった。今は「自分が他人に期待している」ということが理解でき、そこから遠ざかる術を身に着けた。課題はまだ多くあるが、他人の支配下にあった自分を脱却し、自分の利益を追求する勇気を持てたことは評価したい。