人生

やっていきましょう

ブレイキング・バッドというドラマを最近見始めている。ある高校教師がガンを患ったことを機に自分の人生を歩み始め転落していくという話だが、なかなか見ごたえがある。面白い展開もそうだが、個人的な見どころはセリフの言い回しだと思う。

自分が特に面白いと思うのはハンク・シュレイダーとソウル・グッドマン、それとウォルター・ホワイトJrだ。ハンクは洗練された皮肉屋だがその言葉には力強さがある。彼自身タフな人物であり、(不安定になりながらも)常に困難に立ち向かっていく姿勢を貫いている。それが冷笑特有の陰湿さを中和していて攻撃的な冗談も不快にならない。個人的に何を言っても面白いと感じる。

ソウルはハンクとはまた違った種類の面白さがある。とにかく言葉数が多く、冗談の言い回しが上手い。皮肉屋というよりはお調子者だが、その洗練された冗談には圧巻させられる。作品におけるピエロであって、彼が出てくると安心するという人もいる(こうした登場人物を【コミックリリーフ】というらしい。初めて聞いた)。

ジュニアはセリフがどうこうというわけではないが、吹替の声優の演技が腹の底から笑えてくる。とにかく発音がうまくできていない。初めは下手なのかと思ったが、ジュニアの言語障害を演出していると気づき、ジュニアの表情も相まって途端に笑いが加速してくる。どれだけシリアスなシーンでもジュニアの言い方は相変わらずであり、絶対に笑ってはいけないと思いながらも常に笑いとの格闘になる。

他のキャラクターのセリフも冗談に溢れていて、とにかくブレイキング・バッドに出てくるすべてのセリフが面白い。作品すべてが見事に自分の目指している面白さを演出していて、セリフ作りの参考になる。おそらく最後まで見ることになると思う。