人生

やっていきましょう

自己憐憫の一番の問題は他人の不幸に鈍感になるということだ。自分の感情に振り回されて周りの人間の人生に対する想像力が失われる。自分だけが可哀想な人間で、周りの人間は恵まれているように感じる。

これは自分も気を付けたいものだ。精神的に不安定になっているとき、彼らと似た兆候を自分も示す。こうしたときに聞き手となる人間には負担を強いているということを自覚したい。

自分はもう他人が自分の都合よく存在してくれているとは思えないから、以前のように他人に弱みを見せたり泣き言を言うことをしなくなった。自分が何か不安を訴えたことで解決に繋がることはほとんどなかったからだ。そんなことより健全で良好な関係を維持していたほうがお互いのためにもなる。

こういう発想をしてから、他人というのが以前にも増して無機質な感じに思えてくる。自分は既に他人を人間として見ていない。

ただ時々思うのは、こうした憐憫に浸る人間であった時期の方が、最悪でも人間らしい生き方ができていた。他者に失望して無関心を隠さなくなる今の方が、よほど死んだ生き方をしている